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  爽やか変態甘甘馬鹿『多摩湖さんと黄鶏くん』を読んだ

 ギャグ小説は数あれど、ここまで馬鹿と、変態と、そして愛にあふれた本はそうそうないんじゃなかろうか。


多摩湖さんと黄鶏(かしわ)くん (電撃文庫)多摩湖さんと黄鶏(かしわ)くん (電撃文庫)
(2010/07/10)
入間 人間

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 デビュー作であり映画化もされた『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』、そしてアニメ化された『電波女と青春男』など、少し(どころではない気もするけれど)風変わりなカップルを描くことに定評のある入間人間先生。本書のカップルはズバリ、馬鹿で変態である。あまりに簡潔すぎてひどいけれど、作者本人が名言している事実である。
 高校二年生の黄鶏(かしわ)くんが、お姉さんな高校一年生の多摩湖さんとオリジナルのカードゲームに興じながらイチャイチャするお話。全編それ。
 キスどころか手もつないだことのない二人、と聞けば、なんてピュアな二人なのだと思うことだろう。しかしあろうことか、彼らの日常はキスなんて目じゃないレベルの変態っぷり。ネタバレになってしまうので詳しくは書かないけれど、挙げてみると大層な爛れっぷりのことをしている。というかそれ以前にあんまりにも変態すぎて書くのが辛い。恐ろしい。
 だがしかし、なぜかそこにはあまりいやらしさがない。二人がとんでもないまでの馬鹿だからなのか、それとも文章の端々に感じられる互いへの純粋な愛情のお陰なのか。どうしようもなく変態なのに微笑ましいのだ。
 約200ページにわたる絶妙な二人の変態かけ合い漫才。読み終わってから、なんだか変に憧れている自分に気付いて我に返った。本当に危険な作品である。
 大好きです。

  同じバカなら読まなきゃ損!『犬とハサミは使いよう』を読んだ


犬とハサミは使いよう (ファミ通文庫)犬とハサミは使いよう (ファミ通文庫)
(2011/02/28)
更伊 俊介

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 高校生・春海和人は超がつく活字中毒者。本の発刊が一日遅れるのが耐えられない、という理由だけで岡山に引っ越す家族と別れ、一人東京に残るほどの重症だ。そんな彼はある日、ひょんなことから事件に巻き込まれ、なんと命を落としてしまう。死んでしまっては本が読めない。まだ見ぬ読みたい本も読まずに死ねるか!! 死の間際に必死にあがいた結果、何の奇跡か、彼は蘇ることができた。――ただし、犬として。

 第12回えんため大賞優秀賞を受賞した本書は、例えるならドタバタコメディという具材に、ミステリという串を通したような印象。文章のそこここに伺える本への情熱と、知ってる人ならクスリとできる昨今の漫画等のネタというスパイスが、本書をおいしくいただけるよう味付けしている。
 コメディの形を取ってはいるものの、上にも書いた作者の本というものに対する情熱、思いは色々な部分でハッキリ表れている。たとえば、和人が出版を待ち望んでいたシリーズの最終巻を生原稿で渡され、読んでもいいと言われるシーン。文字通り死んでも読みたかったその話を前にした和人は、激しく惹かれつつも読むのを固辞する。

『違う、違うんだ! なんだろう、うまく言えない、何というか、フェアじゃない!』(本文抜粋)

この気持ち、すごく分かる。本は、物語が綴り終えられた時点で完成なのではなく、装丁され、本としての形を成してこその本なのだ。「作品」じゃなくて「本」が好き。自分は本読みの端くれ程度だけれど、この説明しにくい気持ちはとても共感できた。
 内容に関しては、主人公の和人と猟奇的ヒロイン(?)の霧姫のかけ合いが半分近くを占めている。このテンポと勢いのバランスがよくて、ストレスなく読める。場面転換部などに挟まれる「霧ペディア」なる用語解説コーナーも、地の文のテンポを崩さずに内容の理解を手助けしていてうまいと思った。個人的には、後半の犯人との対決シーンの展開にちょっと置き去りにされかけたのがマイナスだったくらい。読んでる途中で2巻を買いに走った本というのも久しぶりだった。
 ごっそり残された伏線や二人の関係の行方なども含めて、これからの展開に期待大。続刊を楽しみにしています。

  本と謎を愛する人に捧ぐ『ビブリア古書堂の事件手帖』を読んだ

 本を愛する人のことを、ラテン語でビブリアというらしい。
 本書はそんな名前のついた古本屋を舞台とした連作短編小説だ。


ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)
(2011/03/25)
三上 延

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 就職浪人中の主人公、五浦大輔は、亡き祖母の部屋に遺されていた『漱石全集』の価値を調べてきてくれと母親に頼まれる。全集の中の一冊に挟みこまれた値札に書かれていたのは、高校時代に前は通ったが入ったことはなかった古本屋の名前。大輔は本を見てもらうために、その「ビブリア古書堂」へ初めて足を運ぶ――。

 いわゆる「安楽探偵もの」といわれるタイプの推理小説である本書の探偵は、本についての情熱は他の追随を許さないほどだが、同時に心配になるくらいの人見知りである美女、ビブリア古書堂店主・篠川栞子。彼女が、幼い頃の出来事で活字を長時間読めない「体質」になってしまった語り部・五浦大輔と共に、店に持ち込まれた古書にまつわる謎を解き明かしていく。
 安楽探偵ものとしてはスタンダードな形の本作だが、本の虫である栞子と本に「関われない」体質の大輔との不思議な組み合わせや、古書堂、そして鎌倉といった舞台設定からも漂うどこか静謐とした雰囲気が、独自の読後感の良さを作り上げている。それぞれの章のタイトルは中心となる本の名前になっており、本の内容、ときには出版元などという細かい部分まで加味して織り上げられた物語は無理なくまとまっている。作者である三上延先生がライトノベル出身ということもあってか、登場人物のキャラクターが明快で入り込みやすいのも大きな魅力だ。
 本書で取り上げられている作品を読んだことのある人はもちろん、作中の大輔のようにほとんど知らないという方にも楽しめる一冊だと思う。

  かわいい奥さんは宇宙人!?「ヨメがコレなもんで。」を読んだ

 国際結婚をネタにした作品というのが、最近よく目につくようになった。だがしかし、結婚相手が海どころか途方もない距離を超えた隣人、「宇宙人」ってのは、まあなかなかお目にかかれるもんじゃない。


ヨメがコレなもんで。 (ビームコミックス)ヨメがコレなもんで。 (ビームコミックス)
(2011/05/14)
宮田 紘次

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 「ヨメがコレなもんで。」は宮田紘次先生の作品。ごくふつうの日本人サラリーマン、ノブオと、宇宙人のおヨメさんの二人が過ごす毎日を描いたマンガだ。
 宇宙人が登場する作品自体は、今さら珍しいわけでもない。でも、この作品の主人公であるヨメさんは、どこからどう見ても宇宙人。一応ヒト型とはいえ、地球人とは似ても似つかない見た目なのだ。当然まわりの人にバレると大変なので、外では人間の皮をかぶって生活しているのだけれど……

 このヨメさんが、カワイイ。
 実に、カワイイ。

 キャラクターはもちろんのこと、その地球外生物な容姿すらもかわいく見えてしまう。むしろ人間の姿よりかわいいんじゃないだろうか。そしてそれをすんなり受け入れてる自分がいる。
 こういう本を読もうって時点で、ふつうじゃないことを許容する素養があるのは当たり前なんだけど、それでもまったく違和感を感じさせない作者の技量がすばらしい。
 細かいところまで一コマ一コマ書きこまれた丁寧な描写と、ストレスを感じさせない構成は、まるで上質の映画を観ているかのよう。これを読めば、ヨメさんのその宝石みたいな瞳に魅入られてしまうこと間違いなし!


 ところでこの夫婦、結婚指輪は持ってるみたいなんだけどお互いいつも身につけていない。もしかしてその辺の慣習も違うんだろうか。そんなことを考えてみるのも面白いかも。

  お題SS

ツイッターでいただいたお題

・空き箱
・春雨
・雨上がり

の3つで。
執筆時間1時間半弱くらい。
血を吐きそう。


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かれんだー

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もっく

ぼちぼち生きてる普通の人。
音ゲーとか読書とかネットとか映画とかあれとかそれとか。

さいきんのきじ







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